社会参加とは?就職だけがゴールではない、一人ひとりの働き方を考える

「就労支援をしているのだから、就職が一番の目標ですよね。」

このような質問をいただくことがあります。
もちろん、一般就労を目指して支援を利用される方はたくさんいます。私たちも、その目標に向かって一緒に考え、伴走しています。

しかし、私たちは就職だけが支援の目的だとは考えていません。
就労支援で本当に大切にしたいのは、その人が社会とつながり続けられることです。

社会とつながる方法は、一つではありません。
就職という形で社会に参加する人もいれば、生活訓練やB型事業所を通して自分のペースで社会との接点を育てていく人もいます。大切なのは、「どの制度を使うか」だけではなく、その人にとって無理のない形で社会参加が続いていくことです。

社会参加の形は、一つではありません

社会参加という言葉を聞くと、「働くこと」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
たしかに仕事は、社会との大切な接点の一つです。誰かと関わり、役割を持ち、報酬を得ることは、その人の暮らしに大きな意味を持ちます。

けれど、社会とのつながりは仕事だけではありません。

たとえば、次のようなことも大切な社会参加です。

  • 地域の活動に参加すること
  • 誰かと一緒に食事をすること
  • 趣味や好きなことを楽しむこと
  • 家族以外の人と安心して話せること
  • 毎日決まった時間に外へ出ること
  • 通う場所があり、役割を感じられること

こうした一つひとつは、外から見ると小さな変化に見えるかもしれません。
しかし、精神障害や発達障害のある方にとっては、こうした経験が「社会とつながっている」という実感につながることがあります。

つまり、社会参加とは「会社で働いているかどうか」だけでは測れないものなのです。

「普通に働く」が唯一の正解ではありません

就労支援の場では、ときどき
「一般就労できなければ意味がない」
という声を耳にすることがあります。

でも、本当にそうでしょうか。

一般就労を目指すことが、その人にとって最もよい選択である場合はたしかにあります。
一方で、生活訓練から始めることが必要な方もいます。
B型事業所で、自分のペースを大切にしながら働くことが合っている方もいます。
まずは体調を整えながら、地域とのつながりを少しずつ増やしていくことが今は大切、という方もいます。

障害福祉サービスには、さまざまな役割があります。
生活訓練は、生活の土台を整えたり、人との関わりに少しずつ慣れていったりする場になることがあります。
B型事業所は、働く経験を重ねながら、自分のリズムや得意なことを確認していく場になることがあります。
そして就労支援や就労移行支援は、一般就労を目指すだけでなく、その人に合った社会とのつながり方を一緒に考える役割も担っています。

大切なのは、「どこで働くか」だけではありません。
その人が、自分らしく暮らし、自分らしく社会とつながれるかどうかです。

支援は、人生を急がせるためのものではありません

支援をしていると、「早く就職した方がいいのではないか」という焦りが生まれることがあります。
周囲が期待していると、本人も「急がなければいけない」と感じてしまうことがあります。

けれど、その焦りが本人のペースを追い越してしまうと、本来大切にしたいものを見失ってしまいます。
無理をして一般就労に進んだ結果、負担が大きくなり、かえって自信を失ってしまうこともあります。

私たちは、就職を急がせるために就労支援をしているのではありません。
その人が、自分の人生を自分の足で歩いていけるよう支えるために支援をしています。

その結果として、一般就労という選択につながることもあります。
一方で、生活訓練やB型事業所を通して社会参加を深めることが、その時点ではより自然で大切な道になることもあります。

支援とは、正解を急いで決めることではなく、その人に合った歩幅を一緒に探していくことでもあります。

就職は人生の一部であって、すべてではありません

就職は、とても大切な出来事です。
けれど、それは人生のすべてではありません。
働くことだけで、その人の価値が決まるわけでもありません。

精神疾患や発達障害を持つ方たちの支援では、どうしても「働けるかどうか」が注目されやすくなります。
しかし本当に大切なのは、どんな働き方をするかだけでなく、どんな人生を送りたいのかという視点です。

  • どんな毎日なら安心して過ごせるか
  • どんな人との関わりが心地よいか
  • どんな形なら社会とつながり続けられるか
  • 何を大切にしながら暮らしていきたいか

こうしたことを一緒に考えることが、支援の根っこにあるべきだと私たちは考えています。

その人にとっての幸せは、その人自身が決めるものです。
だから私たちは、一つの正解を押しつけるのではなく、その人らしい社会参加の形、その人らしい働き方を一緒に探していきたいと思っています。

プラクトが大切にしていること

私たちは、「就職」という結果だけを追いかけているわけではありません。
大切にしているのは、その人が自分らしく社会とつながり続けられることです。

社会参加の形は、一つではありません。
一般就労、B型事業所、生活訓練、地域活動、人とのつながり。
そのどれもが、その人にとって意味のある一歩になることがあります。

だからこそ就労支援とは、就職だけを目指すものではなく、その人の人生全体に目を向けながら、社会とのつながり方を一緒に考えていく支援でありたいと、私たちは考えています。